インドネシアの納豆「テンペ」
栄養価の高い、食べる予防薬
インドネシアの「テンペ」は、ゆでた大豆にテンペ菌、つまりウッサールという植物の葉の裏につく菌(クモノスカビ) をつけて発酵させたもの。
黄色い大豆を真っ白なクモの巣状のカビが包み込み、まるでケーキのような形に固まっています。納豆のように糸は引かず、淡泊な味で消化がよく、栄養価も高いものです。
赤痢菌やベロ毒素などを出すタイプの病原菌に対して抵抗性が強いので、衛生状態が悪いところなどでも腹具合をよくする、食べる予防薬ともいえるものです。
インドネシアの市場に行くと、いろいろな形のテンペが売られています。
丸太のようにバナナの葉で包まれたものをさっくりと切ったもの、薄い薄いまるでチョウの羽のように薄く薄くバナナの葉っぱの問に折り畳んで入れられたもの、ポリ袋に入っているものなどがどかんと積まれて、ごく安い値段で売られています。
淡泊でまろやか、やみつきになる味
インドネシアの人たちは、テンペをお刺し身のように生で切って食べたり、油で揚げたり、揚げてから佃煮のように甘辛く昧つけしたりして食べます。粉末にして、子供たちの離乳食に使うという実験をしている大学もありました。テンペは欧米でも定着し、ベジタリアン向けレストランではテンペナゲット(テンペのフライ)などが人気です。
スポンサードリンク